クロコダイル製品、パイソン製品は現地の工場に直接製作依頼し、熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド。大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。本物を求めるあなたにも手に取っていただきたいと願っています。
風水で見るパイソン財布の“色”とその意味

※本記事は「【完全ガイド】パイソンレザーの歴史・文化・デザイン性|第76回〜90回」で紹介されている“パイソン製品が“反逆の象徴”を詳しく掘り下げた記事です。

──レザーとサブカルチャーが交差した60〜80年代の記憶

はじめに──「型破り」の象徴だったパイソン

現在では高級感と洗練を兼ね備えた素材として認識されているパイソンレザー。
しかし、その歴史を遡ると、かつてはまったく異なる文脈──“反逆”や“異端”の象徴としてファッションに用いられていた時代がありました。

特に1960〜80年代、パイソンレザーはロック・パンク・アンダーグラウンドカルチャーにおいて「体制への反発」や「自己主張の道具」として脚光を浴びていました。

本記事では、パイソン製品が「反逆のシンボル」とされた時代背景と、そこから生まれたデザインや思想、現代への影響を追っていきます。

【第87回】パイソン製品が“反逆の象徴”とされた時代


サブカルチャーと蛇模様──“不穏な美”への憧れ

蛇=禁忌、そして力の象徴

蛇という存在は、古来より「禁忌」「誘惑」「神秘性」といった二面性を持ち、
それゆえにアンダーグラウンドな表現においてしばしば使われてきました¹。

パイソンの鱗模様は、単なる装飾を超えて「危うさ」「野性」「性の匂い」を感じさせる視覚効果を持ち、それが“型破り”な表現と非常に親和性が高かった様です。

音楽やアート、思想が一体となったカウンターカルチャーにおいて、パイソン製品はまさに“反骨精神を着る”という行為の象徴でした。

蛇革が持つ歴史的な象徴性や神話との結びつきは、【第76回】パイソン革の歴史と神話で詳しく紹介しています。


1960〜70年代:ロックカルチャーとパイソンの融合

ジミ・ヘンドリックスとグラムロックの台頭

1960年代後半、サイケデリックロックやグラムロックの隆盛とともに、奇抜なファッションが台頭します。
ジミ・ヘンドリックスやミック・ジャガーは、動物柄やエキゾチックレザーを取り入れたステージ衣装で“反体制の美学”を体現しました²。

この時期、パイソンレザーのジャケットやパンツ、そして一部の財布やベルトが、反逆者のドレスコードとして扱われ始めます。

  • 野性=自由
  • 鱗模様=恐れられる個性
  • 蛇革=伝統的価値観の破壊

このような解釈のもとで、パイソンはあえて“下品”“危険”と思われるスタイルとして歓迎されました。


1970〜80年代:パンクとアンダーグラウンドファッション

セックス・ピストルズと蛇革小物

1970年代後半、ロンドン発のパンク・ムーブメントが世界を席巻します。
セックス・ピストルズやザ・クラッシュといったバンドが、革ジャン、スタッズ、破れた服といった過激な装いで
「退屈な日常」「管理社会」への怒りを叫びました。

その中で、パイソンの財布やブーツは“反骨精神を凝縮した小道具”として登場します。

  • クロームのアクセサリーと合わせた蛇革のクラッチ
  • ショッキングピンクに染めたパイソンの二つ折り財布
  • 鱗の浮き上がりを強調したデザイン

これらは、持つ人のアイデンティティを明確に主張するアイテムでした。

LGBTカルチャーとフェティッシュ性

また同時期、ニューヨークやロンドンの地下文化では、パイソンレザーが“フェティッシュな素材”としても注目されます。
蛇革の光沢と質感は、「禁断」「挑発」「官能」というコードを纏い、
性の自己表現や身体装飾の一部として使われるようになりました³。

パイソン模様がファッション史の中でどのように変遷してきたかは、【第82回】パイソン模様とファッションの歴史的変遷も参考になります。


パイソン財布が“語る”自己表現の時代

財布=社会的ポジションではなく“感情の主張”

この時代のパイソン財布は、いわゆる「ラグジュアリー」ではなく、“アティチュード”を映す鏡でした。
誰かに見せびらかすものではなく、「私はこの生き方を選んでいる」という主張だったのです。

  • 美しい模様=社会に迎合しない異端性
  • 蛇=恐れられても堂々と生きるシンボル
  • 財布=日常にこそ宿る反骨のアイコン

このような文脈で、パイソン財布は「異質であること」の誇りを表現するために選ばれていました。


現代への影響──“洗練された反逆”という新たな美学

ハイブランドの再定義とサブカルの吸収

2000年代以降、グッチ、サンローラン、ジバンシィなどのラグジュアリーブランドが
パンクやグラムロックからの影響を再構成した“アバンギャルド・クラシック”を打ち出し、
パイソンレザーが再び“反骨と高級感の融合”として注目されます。

この流れを受け、現代のパイソン財布は以下のような価値を持つようになりました:

  • 既成概念を疑う精神
  • 個性の主張と内なる美意識の融合
  • 持つ人の思想を静かに語る道具

つまり、パイソンはもはや“ただの革”ではなく、“選ばれる意味”を持つ素材として定着しています。

若年層にとっての“反骨の継承”

Z世代を中心とした若者たちの中でも、「大量生産ではないもの」「背景があるもの」に価値を見出す流れがあります。
パイソン財布は、彼らにとって“反逆と持続可能性の象徴”として再評価されており、
中古市場や一点物レザー製品の人気が上昇しているのもその表れといえるでしょう。


まとめ──“鱗の一枚”に込められた叫び

かつてパイソン製品は「反逆の象徴」でした。
それは流行でも、価格でもなく、“生き方”を選び取る態度の表れだったと云うことです。

  • 蛇は自由の象徴だった
  • 鱗模様は型にはまらない魂の声だった
  • 財布は、静かに叫ぶ旗印だった

今、私たちが手にするパイソン財布も、その延長線上にあると言えるのではないでしょうか。
“美しさ”だけでなく、“意志”を持つ財布──それが、パイソンという素材が今も魅力的である理由です。

現代的な美学やデザインとの調和の観点からパイソン革を知りたい方は、【第80回】蛇革の“怖さ”と“美しさ”をどう調和させるかもご覧ください。

パイソンレザーの歴史・文化・デザイン性について、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「【完全ガイド】パイソンレザーの歴史・文化・デザイン性|第76回〜90回」にて取り上げている“パイソン製品が“反逆の象徴”とされた時代”の記事です。


📑参考文献

¹ 高橋雅人『象徴としての蛇』青土社(2014)
² 『ロックファッション史1950–1990』Rolling Stone Archives
³ J. Wilcox『Leather Fetish and Queer Identity』Routledge(2011)

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完全限定生産 熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド

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