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【第42回】スタンプの形と名称を一覧で解説|用途別に使い分けよう

はじめに|スタンプの「形」と「型番」を理解すれば表現力が上がる

カービング作品に深みを与える「スタンピングツール(刻印)」は、絵画で言えば「筆」のような存在です。
どの形のスタンプを、どの順番で、どの角度で使うかによって、作品の印象はまったく異なります。

しかし初心者にとっては、「A104?B701?これは何?」と、型番や用途がわからず混乱することもしばしば。
本記事では、代表的なスタンプの形と名称、型番の意味、具体的な使い分け方を一覧形式でわかりやすく解説します。


スタンピングツールの基本構成|型番・分類の読み方

スタンプには大きく分けて以下のカテゴリがあります:

分類主な用途代表型番(例)
A系(ペタル・フラワー)花びらの輪郭打ちA104, A888 など
B系(ベベラー)段差・立体感付けB701, B935 など
C系(コンケーブ)カーブ・渦巻きの陰影C431, C743 など
D系(シーダー)花芯や点打ちD618, D436 など
E系(リフター)彫りの下に影を作るE294, E294-2 など
F系(フィラー)補助的な陰影F902, F910 など
G系(ギア・グルーバー)線の装飾・ギア模様G538, G853 など
Z系(特殊形状)星型・網目などの装飾Z788, Z705 など

🔍【注1】メーカーや国によって型番表記は若干異なりますが、「A=花びら」「B=ベベラー」などの分類ルールは共通しています。


A系:花びら打ち(ペタル系)

型番特徴用途備考
A104楕円状で湾曲した打面花びらの内側打ち、花の外周の陰影最も基本的なフローラルスタンプ
A888深い彫り・硬質な印象中〜大サイズの花用A104と併用で立体感UP

🌼【使用例】バラやアカンサスの外周ラインをなぞることで、「ふわり」とした膨らみを演出できます。


B系:ベベラー(段差付け)

型番特徴用途備考
B701小型で丸みあり小花のエッジや小物作品向け初心者でも扱いやすい定番
B935大きめの打面幅広のラインや葉の中央など均一な段差付けに便利

📏【使い方のコツ】スーベルナイフで入れた線の内側に沿って打つのが基本。打つ方向に注意。


C系:コンケーブ(カーブ打ち)

型番特徴用途備考
C431曲面を強調する凹型打面渦巻きや流れのあるラインに小型作品にも対応
C743長めのカーブ形状長い蔓の表現に向く打ちムラが出にくい

D系:シーダー(花芯・点打ち)

型番特徴用途備考
D618星型の花芯花の中心の印象づけ打つ強さで濃淡を変えられる
D436点の集合型装飾的な点描表現補助的に使える万能ツール

✨【応用】複数のD系スタンプを組み合わせることで、華やかな中心装飾を演出できます。


E系:リフター(影を作る)

型番特徴用途備考
E294線の下部に陰影を与える彫りを“浮かせて”見せるベベラーとの併用が基本
E294-2幅広タイプ面積のある影用中〜大型作品に向く

F系:フィラー(背景埋め)

型番特徴用途備考
F902点の集合体(粗め)背景打ち/装飾パターン使い回しやすい
F910曲線パターン流れある背景装飾に蔓や雲のイメージに最適

🎨【ポイント】フィラー系は「打ちすぎ注意」。全体のバランスを見て適度に使用するのが美しく仕上げるコツ。


G系・Z系:装飾・特殊スタンプ

型番特徴用途備考
G538歯車型の装飾模様メカニカル・幾何学模様にメンズ作品で人気
Z788星型模様カジュアル・キッズ向け作品にワンポイントに効果的

スタンプの使い分け早見表

目的おすすめスタンプ
花の輪郭を立体的にしたいA104, B701
葉の流れを強調したいC431, C743
花の中心に装飾を入れたいD618, D436
彫りを“浮かせる”ように見せたいE294, B935
背景を引き締めたいF902, F910
メカ・ポップな印象を加えたいG538, Z788

型番だけで選ばない!ツール選びのチェックポイント

  1. 作品サイズに合っているか?
    → 小型作品にはA104/B701などの小型スタンプが最適
  2. 打ち跡の深さ・形状が目的に合っているか?
    → 打刻の力加減と合わせて確認
  3. 打面が磨かれているか?
    → 安価なスタンプは加工が粗く、滑らかに打てないこともある
  4. グリップの握りやすさはどうか?
    → 手の大きさ・手袋の有無に合わせて選ぶのが理想

まとめ|スタンプの理解が「表現の幅」を広げる

スタンピングツールは、単なる“道具”ではなく、表現の筆先です。
その形・型番・使い方を正しく理解することで、

  • 作品の立体感
  • 彫りのメリハリ
  • デザインの完成度

が格段に向上します。

まずは基本の5〜6本からはじめ、作品に合わせて徐々に増やしていくのが理想です。
ツールと仲良くなればなるほど、カービングの楽しさは何倍にも膨らんでいきます。


注釈

【注1】Tandy Leather社製スタンプカタログより(2023年)
【注2】『Leather Craft Encyclopedia』Tool Section, Vol.4
【注3】日本レザークラフト協会『クラフトツールと表現の関係』, 2022年調査資料


参考文献

  • 『レザーカービング・スタンピングツール完全解説』クラフト社, 2021年
  • 『Leather Tool Dictionary』Western Style Publishing, 2020年
  • 『カービング技法と道具使い』藤田誠一, 工芸出版, 2019年
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