クロコダイル製品、パイソン製品は現地の工場に直接製作依頼し、熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド。大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。本物を求めるあなたにも手に取っていただきたいと願っています。
手彫りのカービングには、作り手の心が込められています。

職人インタビュー|カービング模様の彫りに宿る想いを聞く

※本記事は「カービングレザー革彫刻の魅力完全ガイド」で紹介されている“カービング模様の彫りに宿る想い”を詳しく掘り下げたものです。

第9回:職人インタビュー|カービング模様の彫りに宿る想いを聞く

はじめに

「この模様、どうしてこんなに深く、美しく彫れるんだろう?」

カービングレザー財布に触れた時、多くの人がそう感じます。

そこには、“ただの作業”ではなく、革と対話するような職人の心と技があります。

本記事では、実際にタイの工房で20年以上のキャリアを持つ熟練職人にインタビューを行い、カービングにかける想いや工程の裏側を聞きました。

──彫られているのは模様だけではない。そこには「人生」がありました。

第9回:職人インタビュー|カービング模様の彫りに宿る想いを聞く

カービングレザー熟練職人へのインタビュー

Q1. カービングを始めたきっかけは?

「小さい頃から父が革細工をしていて、自然と興味を持ちました。最初はただの手伝いでしたが、初めて自分で打った模様を見たとき、“これは一生続けられる”と思ったんです。」

Q2. 一番難しい工程は何ですか?

「スウィーベルナイフで最初に線を切る時です。ここで失敗すると、その後すべてが歪んでしまう。でも、逆にこの最初の線が“芯”になる。緊張と集中力が必要ですね。」

Q3. 彫るときに意識していることは?

「革の“声”を聞くこと。硬さ、湿り具合、繊維の方向……同じ革は二つとないので、毎回違うアプローチが必要です。」

「あとは、使う人の顔を想像します。“この人の手に、なじむ模様はどんなだろう?”と考えながら彫ります。」

Q4. 印象に残っている作品は?

「息子が成人した時に作った財布ですね。自分が初めて彫りを教えた時の模様を再現して渡しました。彼が“これは宝物だ”って言ってくれた時は泣きそうになりました。」

Q5. 良いカービング製品とは?

「見た目が派手とか細かいとかではなく、“時間に耐えられるか”です。5年、10年経っても形が崩れず、模様がより味わい深くなっていく……それが“いいカービング”だと思います。」

タイ北部の伝統工房|カービングレザー職人が育つ場所

彼が所属する工房は、タイ北部の小さな町にあります。そこでは、家族経営のような温かい空気感の中で、革職人たちが日々の仕事に向き合っています。

工房の特徴:

  • 一人ひとりの職人が専門分野を持つ分業体制
  • 電動工具は極力使わず、手作業が中心
  • 若手への技術継承にも力を入れている

「技術は“盗む”ものではなく、受け継ぐものだ」 ──これは彼が師匠から教えられた言葉だそうです。

熟練者が若手に手取り足取り教えながらも、それぞれが“自分の道具”“自分のリズム”を持って彫る。その環境が、個性と技術の両立を生み出す場になっています。

職人の一日に密着|リズムと呼吸で革と向き合う

06:00 起床・工房へ

早朝から準備を始める。まずは当日の気温・湿度を見て、使用する革の“水分調整”を行う。

08:00 ケーシング作業

革に水分を含ませ、模様がしっかり刻まれるようにする。

09:00 デザインのトレースとカット

図案を革に転写し、スウィーベルナイフで輪郭を切る。

10:30 打刻スタート

昼前後は打刻に集中。ハンマーの音が「カン、カン、カン」と工房に響く。

12:00 昼食と休憩

地元食材の素朴なランチ。午後に備えて英気を養う。

13:00 染色・仕上げ

模様に陰影を与える染色作業。色の深みを加える工程は職人のセンスが問われる。

15:00 若手職人のチェック・指導

自分の作業だけでなく、後進の育成にも時間を割く。

17:00 一日の作業終了

作品を丁寧に並べて乾燥・保管し、帰宅。

彫りに宿る哲学|カービングは“人生を刻む”行為

職人たちにとって、カービングはただの仕事ではありません。

「カービングは、過去と未来をつなぐ道です。祖父が教えてくれた技術を、私は自分の子に伝えている。革には、そのすべてが刻まれています。」

「作品を通して、自分の“生き様”を感じてほしい。それが“手彫り”である意味です。」

こうした哲学が製品に命を吹き込み、見る者・使う者の心に深く訴えかけます。

海外と日本のカービングの価値観の違い

彼によると、日本の顧客は「見えない部分の丁寧さ」に感動してくれることが多いそうです。

「裏地の処理、糸の始末、コバの美しさ……日本のお客様は“本当に使う人の目線”で見てくれます。それが、職人としてとても励みになる。」

一方で、地元では“模様の迫力”や“華やかさ”が重視される傾向もあり、文化によって製品へのアプローチが異なるのも興味深い点です。

「誰が作ったか」がカービング製品の価値を決める

カービング製品を選ぶ際、

  • 模様が好きか?
  • サイズは合っているか?
  • 色味は好みか?

それももちろん大切ですが、もう一つ大切なのが、

**「誰が、どんな想いで作ったか」**です。

手彫りのカービングには、必ず“作り手の心”が込められています。

「この模様は、あの時の気温と光と革の状態でしか彫れなかった」

という“偶然”と“必然”が交差して生まれた芸術。

だからこそ、職人の物語を知ることは、製品の魅力を10倍にも高めてくれます。

まとめ|カービング模様の裏にある“物語”に触れる贅沢

カービング製品を手にした時、 その美しい模様の裏には、

  • 職人の人生
  • 技術の継承
  • 一打に込めた情熱

が詰まっています。

単なる「革製品」ではなく、「人生を刻むアートピース」として。

使うたびに深まる愛着── その原点には、確かな“人の手”と“心”があります。

▼あわせて読みたい(カービングシリーズ記事)

「カービングレザー革彫刻の魅力と美意識」について、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「カービングレザー革彫刻の魅力完全ガイド」にて取り上げている“カービング模様の彫りに宿る想い”に関連した内容です。


手彫りのカービングには、作り手の心が込められています。
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