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クロコダイル財布|マット仕上げとシャイニング仕上げの違いと経年変化

【第58回】タイ製クロコダイル財布に多い“センター取り”の比率と価格への影響

※本記事は「クロコダイル製品の品質と価格差」で紹介されている“タイ製クロコ財布に多い“センター取り”の比率と価格への影響”を詳しく掘り下げた記事です。

「“美しさの証”センター取り──その選定率がタイ製の価値を変える」

はじめに──クロコダイル財布“センター取り“という“選ばれし革”

クロコダイル財布において、最も視覚的に美しく、人気が高い仕上げとされているのが「センター取り」です。
これは、クロコダイルの腹部中央、最もウロコが整い、左右対称になる部位を使用することで、製品全体の高級感を際立たせる仕立て方法です¹。

日本製の高級財布にはもちろん多用されていますが、近年ではタイ製品にも“センター取り”を多く用いた製品が急増しています。

なぜ、タイ製品にセンター取りが多いのか?
また、それが製品の価格や価値にどう影響しているのか?
この記事では、事実に基づいてその実態を明らかにしていきます。

【第58回】タイ製クロコダイル財布に多い“センター取り”の比率と価格への影響
タイ製クロコダイル財布に多いセンター取り


クロコダイル財布のセンター取りとは何か?──基本構造の理解

センター取りのような仕上がり精度には、縫製やコバ処理など細部の技術が密接に関係しています。以下の記事でその工程を比較しています。(第60回|縫製・コバ処理の技術分析

日本製クロコダイル財布におけるセンター取りの比率

クロコダイル革は、主に以下の3つの部位に分類されます²。

  1. センター部(腹部中央):ウロコが左右対称で揃い、最も美しい部位。
  2. サイド部(腹部の側面):ウロコが不規則になりやすく、左右差が出やすい。
  3. 背中部(背骨付近):ウロコが小さく硬く、財布には不向き。

センター取りとは、このうち「センター部だけを贅沢に切り出して製品に使用する」ことを指します。
革1枚につき財布1~2点しか取れないため、使用できる部位が限られ、希少価値が高くなります。


日本製クロコダイル財布におけるセンター取りの比率

日本ブランドにおけるセンター取りの基準や希少性は、素材選定とOEM方針にも深く関係しています。(第24回|日本ブランドのOEM戦略

日本皮革産業連合会が2022年に実施した市場調査によれば、国内ブランドで販売されるクロコダイル財布のうち、センター取りの比率は約**65〜70%**³。

理由としては、

  • 百貨店・高級ブランドでは見た目の左右対称性が重視される
  • 高価格帯商品ほどセンター取りである傾向が強い
  • 「センター取り=上位モデル」という市場認識が定着している

などが挙げられます。

つまり、日本市場ではセンター取りは**“高級品の証”**として強く紐づいており、それが価格の上昇要因ともなっています。


タイ製クロコダイル財布におけるセンター取りの比率

タイの革工房やレザーフェアでの調査⁴、並びに輸出向け製品の分類統計(タイ商務省レポート2023)⁵によれば、タイ製クロコダイル財布の約80%がセンター取りを採用しています。

日本製より高いこの比率の背景には、以下の要因があります。

① 工房と養殖場の距離が近く、個体選定が可能

タイでは、工房が直接養殖場と連携しており、腹部のウロコ模様が整った個体を初期段階で選別可能
その結果、センター部を効率よく確保でき、材料ロスも少なくすむため、使用頻度が高まります。

② センター取りを前提とした革の仕入れ契約

タイの老舗工房では、「センター取り指定」の定期取引が行われており、高品質なセンター部を優先して確保する流通システムができあがっています。

③ 海外輸出(日本・EU)向けの仕様対応

タイでは、輸出向けの製品にはセンター取りが求められるという共通理解があり、工房もこの基準に合わせて生産計画を組んでいます。


クロコダイル財布センター取りの有無で価格はどう変わるのか?

センター取りの有無が価格に与える影響は、実際の価格帯と品質認識にどう関係しているのでしょうか?(第52回|価格差の実例比較

価格への影響は、以下の通り明確です。

項目センター取りありセンター取りなし
材料コスト(革1枚あたり)約4〜5万円(中心部のみ)約2〜3万円(サイド利用可)
見た目(左右対称性)非常に高いやや不規則になることがある
販売価格帯(一般)9万〜15万円以上5万〜9万円前後
希少性と人気高いやや低い

タイ製品でセンター取りが多いということは、**“価格の割に上位素材を使用している”**という意味でもあります。
つまり、**センター取りの財布を9万円台で購入できるのは、実質的に“価格破壊”**といえる現象なのです。


タイ工房とセンター取り──“こだわり”の現場から

タイ・ナコーンパトム県の老舗工房「Luangta Leather(仮名)」では、センター取りに関して以下のようなポリシーを持っています。

「センター取りは、クロコダイルの命の中心。最も美しい部位を、最も美しく見せたい。そこに嘘はつけない」⁶

この工房では、年間に生産する財布のうち実に95%がセンター取り
1匹の革からは必ず腹部中央を割り出し、テンプレートではなく革模様に合わせて一点一点裁断するため、見た目の均整とウロコの自然さが両立しています。


日本とタイ、価値観の違い

日本では、「センター取り=価格が高くて当然」という認識が強い一方で、
タイでは「センター取り=作品として美しく仕上げる最低条件」とされることも少なくありません。

この違いは、単なるマーケティング戦略の差ではなく、素材への向き合い方や美意識の文化的違いでもあります。


消費者の声:価格と品質の“ギャップ”に気づいた瞬間

ある会社経営者(52歳・男性)の声をご紹介します。

「正直、最初は“この価格でセンター取りは怪しい”と思いました。
でも、実物を見て、これは…完全に本物。むしろ、今まで払っていた20万円以上は何だったんだと」

センター取りの美しさと価格のバランスが、彼の“価値観”に一石を投じたようです。


まとめ

クロコダイル財布において、センター取りは美と希少性の象徴であり、
日本でもタイでも、それは「上質なものづくり」における共通認識です。

しかし、タイ製品は

  • 養殖場との近接性
  • 革の流通体制
  • 工房の技術力
    により、センター取りを高頻度かつ合理的価格で提供できる土壌を持っています。

「なぜこの価格でここまでの素材が使えるのか」
その理由を知ると、タイ製のクロコダイル財布が“特別な選択”ではなく、
むしろ“賢い選択”であることが、きっと腑に落ちるはずです。

クロコダイル製品の品質と価格差について、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「クロコダイル製品の品質と価格差」にて取り上げている“タイ製クロコ財布に多い“センター取り”の比率と価格への影響”に関連した内容です。


📚参考文献

  1. 日本皮革技術センター「クロコダイル革構造と加工ガイド」
  2. 革工房協会発行『皮革素材の見分け方と部位別評価』(2020年)
  3. 日本皮革産業連合会「クロコ製品の市場動向調査報告書2022」
  4. Bangkok Leather Fair 2023 講演資料
  5. タイ商務省「革製品輸出における製品仕様別統計(2023年版)」
  6. Luangta Leather 工房職人インタビュー(2023年12月)
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完全限定生産 熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド

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