※本記事は「パイソン財布の実用性と審美眼を磨く15選」で紹介されている“パイソン財布と革のにおい問題”を詳しく掘り下げた記事です。
「その“におい”、本当に気にすべき?パイソン財布の革らしさと付き合う方法」
「買って開けたら、ちょっと独特な匂いが……」
パイソン財布を開封したとき、「ちょっと独特なにおいがする」と感じたことはありませんか?
これは決して珍しいことではありません。多くの革製品、特に天然素材由来の財布には、独特の匂いがあるものです。それが「革の良さ」である一方、「使い始めたくても気になる」「人前で使うのが不安」と感じる方もいらっしゃいます。
本記事では、パイソン財布のにおいの原因、時間経過でどう変化するか、消臭対策、安心できる製品選びのポイントを、専門知識と実例を交えてご紹介します。

革の匂い──「天然」ゆえの証でもある
まず、パイソンをはじめとする本革財布の“におい”には、主に以下の要素が含まれています。
| においの種類 | 原因となる物質 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 鞣し剤の匂い | クロム・植物タンニンなど | 金属的/渋みある香り/個体差あり |
| 防カビ・仕上げ材の匂い | 脂肪酸系防腐剤、染料成分等 | ケミカルな印象/新品時に強い |
| 天然皮革の動物性匂い | 皮のタンパク質残留成分 | 独特な革の匂い/経年で減少 |
とくにエキゾチックレザーであるパイソンは、独特な模様を維持しつつ柔らかく仕上げるため、鞣し・染色工程が複雑になる傾向があり、匂いが強く出やすいとされています¹。
匂いは時間と共にどう変化する?
新品時に感じる“におい”も、時間とともに確実に薄れていきます。以下のような段階を経て、ほとんどの製品で匂いは気にならなくなります。
- 開封直後:一番強く感じる時期。箱や袋内に密閉されていた揮発成分が広がる。
- 1週間程度:空気中に放置することで、鞣し剤や防腐剤の揮発成分が抜け始める。
- 1〜2か月以内:使用を重ねることで摩擦・空気循環が進み、匂いが落ち着く。
- 3か月以降:ほとんどのケースで気にならない状態に。
革は「呼吸する素材」と言われるように、空気との接触で匂いも変化していく素材です²。
革が時間とともにどう変化するかについては、第3回|経年変化と魅力でも詳しく解説しています。
「においが気になる」ときの対処法5選
1.風通しの良い場所で陰干しする
最も基本的かつ効果的な方法です。日陰で2〜3日干すだけでも、かなり匂いが和らぎます。
2.重曹や竹炭などの消臭剤と一緒に保管
天然素材系の消臭アイテムは、革を傷めずに匂いを吸収してくれます。
3.新聞紙に包んで保管
新聞紙は匂い成分の吸着力が高く、内装に直接触れず安全です。
4.アルコール系の消臭スプレーは避ける
消臭スプレーの中には、革にダメージを与えるものも。専用レザークリーナー以外は使用を控えましょう。
5.2週間以上経っても強く残るなら販売元へ相談
良質な製品であれば、明らかに異常な臭気が続くケースは少ないです。購入元が信頼できるかも重要な判断軸です³。
タイ製パイソン財布に多い「植物タンニン鞣し」の魅力
当店が取り扱うタイ直輸入パイソン財布の多くは、「植物タンニン鞣し」や「低臭染色仕上げ」を採用しており、開封時の匂いがマイルドです。
これはタイの熟練工房が、輸出を前提とした“香りの少ない製法”に切り替えてきた背景があります。
さらに、芯材や接着剤にも低臭タイプを用いているため、全体として「開けた瞬間の印象」が非常に良いと評判です。
タイ製パイソンの魅力や製造背景に関しては、第3回|タイ製の魅力をご覧ください。
「香り」は“本革の証明”でもある
ある程度の香りは、「化学素材ではなく、本物の天然皮革である証」とも言えます。
特に、機械的に処理されたフェイクレザーやPUレザーは無臭またはプラスチック臭が強い傾向があり、「本革ならではの温かみ」とは異なります。
パイソンレザーの微かな香りは、使うごとに味わいとともに“あなたの香り”になっていくのではないでしょうか。
“本物のパイソンレザー”が持つ香りや質感については、第6回|本物と偽物の見分け方で解説しています。
まとめ|においに敏感な方こそ、安心できる選び方を
- パイソン財布の匂いは天然革・鞣し剤・仕上げ材が主な原因
- 新品時の匂いは1〜2か月で落ち着くのが一般的
- アルコール系や強力スプレーではなく、自然な消臭法を選ぶ
- タイの職人による財布は、低臭仕上げで快適性が高い
- においも含めて“本革ならではの魅力”と捉える視点も大切
においが気になる方も、品質の高い財布と正しい使い方を知れば、心地よく付き合っていけるはずです。
パイソン財布の実用性と審美眼について、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「パイソン財布の実用性と審美眼を磨く15選」にて取り上げている“パイソン財布と革のにおい問題”に関連した内容です。
📚参考文献
¹ 日本皮革産業連合会『天然皮革の鞣し工程と臭気分析』(2020)
² 皮革ジャーナル編集部『革は呼吸する──エキゾチックレザーの基礎知識』2021年
³ LUXURY LEATHER JAPAN『高級財布のにおいと安全性に関する消費者調査』(2022)
