クロコダイル製品、パイソン製品は現地の工場に直接製作依頼し、熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド。大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。本物を求めるあなたにも手に取っていただきたいと願っています。

【第72回】海外展示会における日・タイ製クロコダイル財布の評価の違い

※本記事は「クロコダイル製品の品質と価格差」で紹介されている“海外展示会における日・タイ製品の評価の違い”を選ぶという考え方”を詳しく掘り下げた記事です。

世界のバイヤーは見ている。“ブランド”ではなく“本質”で評価されるクロコダイル財布の実力とは?

クロコダイル財布の評価基準は海外ではどう異なるか

国内では、クロコダイル財布に対して「ブランド」「信頼性」「価格の高さ」などが価値基準として語られることが多いと思います。しかし、一歩海外に出ると、その基準は大きく変わる場面もあるようです。

特に世界各国のバイヤーや専門バイヤーが集うレザー製品展示会などでは、製品そのものの本質――素材の質感、技術、背景ストーリー――が、より率直かつ冷静に評価される傾向があります¹。

そこで今回は、実際に行われた海外展示会での声をもとに、日本製とタイ製のクロコダイル財布がどのように評価されているのか、その違いを見ていきたいと思います。


日本製クロコダイル財布は「仕上げの完璧さ」で評価される

海外のバイヤーから見たとき、日本製のクロコダイル財布は「丁寧」「緻密」「端正」といった言葉で形容されることが多く、コバの仕上げ、縫製の均一性、全体のフォルムバランス――こういった点での完成度の高さは、まさに日本の技術文化を象徴するものと捉えられています²。

あるヨーロッパのバイヤーはこう話していました。

「日本製の財布は、まるで建築物のように正確で整っている。工芸品として非常に美しい」

このように、高価格帯製品に求められる「完璧さ」や「保証された品質」という観点では、日本製はやはり世界でも高い評価を受けています。


タイ製クロコダイル財布は「素材感と個性」で注目を集める

“個性を活かした革の選定”という視点では、第58回|センター取りの比率と価格に通じる分析があります。

一方、タイ製のクロコダイル財布が評価されるポイントは、少し異なるように見受けられます。展示会での声を拾ってみると、「革の表情が生きている」「ユニークで温かみがある」「作り手の感性を感じる」といった印象が多く聞かれました。

特にアジア、ヨーロッパ、南米のバイヤーたちからは、「均一性よりも素材の個性を活かすアプローチ」に対して好意的な反応が多々ありました³。

タイ製の財布は、クロコダイルレザー本来の斑模様や質感を“整えすぎない”スタイルを採っていることが多く、それが逆に「一点もの感」「クラフトの温もり」として評価されているようです。


クロコダイル財布の「語れる背景」が国際評価に直結する

“誰がどこでどう作ったか”という背景価値の重要性については、第59回|文化的アプローチの違いが示唆に富んでいます。

近年、海外の展示会では製品のスペック以上に、「誰が、どのように、どんな背景で作っているか」という“ストーリー性”に注目が集まっています。

その点で、タイの老舗工房のクロコダイル財布には、非常に明確な物語があります。

  • 何十年も続く家族経営の職人工房であること
  • 地元で調達されたクロコダイルレザーを使用していること
  • 一点一点を人の手で仕上げていること

これらは、ただの“製品”ではなく、“文化と人の営みの結晶”としてバイヤーの心に響くのではないでしょうか⁴。

ブランド名のない製品であっても、「この財布には作り手の想いがある」と感じられることが、現代の国際マーケットでは大きな強みになっているように感じます。


「価格の妥当性」でも評価されるタイ製クロコダイル財布

展示会では、「価格に対しての品質・完成度」にも注目が集まります。日本製の財布が高価格であることに疑問は抱かれない一方で、タイ製の財布については「この品質でこの価格は驚き」といった声が多数聞かれています。

これは、以下のような点が影響していると考えられます。

  • タイ国内での一貫生産体制により中間マージンが少ない
  • 工房との直接取引が可能なため、輸出時の価格が安定している
  • ブランド化されていないため、価格に“演出費”が乗っていない

これにより、タイ製のクロコダイル財布は「価格に対しての完成度」で確実に差別化できていると云えます⁵。


海外バイヤーは“ロゴより質感”を重視し始めている

“ブランドではなく本質”という視点からは、第70回|価値ある無名を選ぶ視点が深い考察を与えてくれます。

とくに最近のトレンドとして、「ロゴやブランドよりも質感や手触り、個性を重視したい」という声が増えているように感じます。世界中で“ノームコア(脱ブランド)”や“クワイエットラグジュアリー(控えめな上質)”といった考え方が浸透しつつある中で、タイ製クロコダイル財布は、まさにその潮流にマッチしているように思えます。

ある北欧のバイヤーの言葉が印象的でした。

「これは知らないブランドだけど、手に取った瞬間に“良い物”だとわかった。名ではなく、物が語っている」

このように、“触れてわかる良さ”がある製品こそ、今後ますます国際市場で求められる存在になるのではないかと思われます⁶。


まとめ

海外展示会におけるクロコダイル財布の評価は、単なるブランドの知名度や価格帯では決まりません。むしろ「素材感」「完成度」「ストーリー性」「価格とのバランス」といった多面的な要素で見極められているように感じます。

日本製は技術の高さと完成度で、タイ製は革そのものの魅力と職人の人間味で、それぞれ異なる角度から評価を受けています。そして、今の国際市場では、“名がなくとも語れる価値”に注目が集まりつつあります。

もしあなたが、「本物のクロコダイル財布」を探しているなら、日本国内だけでなく、世界の目がどうそれを見ているかという視点も加えてみると、より納得できる一品に出会えるかもしれません。

クロコダイル製品の品質と価格差について、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「クロコダイル製品の品質と価格差」にて取り上げている“海外展示会における日・タイ製品の評価の違い”に関連した内容です。


📚参考文献
¹『グローバルバイヤーの視点と戦略』, 杉山敏, 日経BP, 2021年
²『日本製品の国際競争力』, 鈴木健太, 中央経済社, 2020年
³『東南アジア皮革産業の現状と可能性』, アジア経済研究所, 2019年
⁴『ブランドを超えたモノづくり』, 伊藤由紀子, 宣伝会議, 2022年
⁵『クラフト製品と国際流通』, 長谷川千夏, 明石書店, 2018年
⁶『Quiet Luxury時代のマーケティング』, 宮本達也, ダイヤモンド社, 2023年

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