クロコダイル製品、パイソン製品は現地の工場に直接製作依頼し、熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド。大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。本物を求めるあなたにも手に取っていただきたいと願っています。
クロコダイル革を“生かす”縫製とは

※本記事は「クロコダイル製品の品質と価格差」で紹介されている“価格差以上に感じる“素材の違い”をどう説明するか”を詳しく掘り下げた記事です。

「見た目は同じでも、触れた瞬間に違いは分かる──素材の“格”が宿す本質とは」

はじめに──「同じクロコダイル革」なのに、なぜこうも違うのか

「素材は同じクロコダイルと書いてあるのに、なぜ価格にこんなにも差があるのか?」
あるいは、「価格は安いのに、この革…驚くほど美しい」と感じた経験はないでしょうか。

実際、市場には「クロコダイル」と表示された財布が価格帯で大きく異なります。
見た目には同じウロコ模様。けれども手に取ったときの艶、手触り、革の質感は明確に違う。

本記事では、その「違い」がどこから生まれるのかを、原産地・個体選別・鞣し(なめし)・保管・流通管理という観点から、明確なデータと共に解説していきます。

【第61回】クロコダイル財布の価格差以上に感じる素材の違いとは


1. クロコダイル革の原産地による差

クロコダイル革の品質は原産地で決まる――そんな声もあります。革の産地に焦点を当てた比較記事もご覧ください。(第53回|革原産地の違いとは?

主な3種のクロコダイル種とその特徴

種類主な生息・養殖国特徴高級評価度
シャムワニ(C. siamensis)タイ、ベトナム、カンボジア細かく均整の取れた腹部ウロコ、柔軟性◎★★★★☆
イリエワニ(C. porosus)オーストラリア、パプアニューギニア小さく締まったウロコ、希少性が高い★★★★★
ナイルワニ(C. niloticus)南アフリカ、ジンバブエ大柄で迫力のあるウロコ、やや硬質★★★☆☆

※特に日本とタイで多く使用されるのは、シャムワニです。

原産地と品質の関係

環境・飼育方法・ストレス管理によって、同じ種でも皮質に差が生まれるのは事実です¹。
たとえば、タイでは水温・日照・飼料管理を調整する養殖法が確立されており、
その結果、傷が少なく、皮膚がしなやかで弾力性に富んだ原皮が育つと報告されています²。


2. 個体選別の違い─クロコダイル革の“表情”はここで決まる

タイの老舗工房では、クロコダイルの革を選定する段階で、以下のチェック項目が設定されています³:

  • ウロコの左右対称性
  • 腹部の張りと厚みのバランス
  • キズ・斑点・皮膚のシミの有無
  • 中心部とサイド部の色の均一性

これらの基準を満たす革は、養殖場で出荷される皮のうち、わずか約15〜20%

つまり、同じクロコダイル革でも、“選ばれた個体”だけが高品質製品の素材となるのです。

対して、大量生産向けの工場では、素材選別の基準が緩く、
革の表面に微細な傷や斑点があるものでもそのまま使用されることがあります⁴。


3. クロコダイル革の鞣し(なめし)と染色による肌触りの違い

鞣しや染色の違いは、手に取った瞬間の感触に大きく影響します。職人の手による加工の差は、こちらの記事で詳しく紹介しています。(第55回|製造工程の比較

クロコダイル革の風合いや寿命を左右する「鞣し(なめし)」には、大きく分けて以下の方法があります:

  • クロム鞣し:柔らかく軽く、薄く仕上がる。タイや日本で主流。
  • 植物タンニン鞣し:硬めで厚くなるが、経年変化が楽しめる。高級志向向け。

タイの上級工房では、独自の調合による“複合鞣し”を採用し、柔軟性と耐久性の両立を図るケースも見られます⁵。

さらに染色では、

  • 日本製:均一性を重視(調色と再塗装あり)
  • タイ製:深みと“揺らぎ”を重視(手染め+バフ加工)

この差が、見た目の深み・ツヤ・しっとりした手触りに直結してきます。


4. クロコダイル革素材保管と温湿度管理の差

意外と見落とされがちなのが、素材保管環境による革質の維持です。

タイの高級工房では、空調設備と除湿管理された専用保管庫により、革の伸縮や硬化を防いでいます。
この結果、加工時の歪みやクラックが発生しにくく、製品化後の耐久性にも直結しています。

一方、安価な製品では、長期在庫や湿度変化により「購入時から劣化が始まっている」場合もあります⁶。


5. 「価格以上のクロコダイル素材」とは──その判断基準

価格と品質のギャップに気づいたユーザーの声が増えています。センター取りの存在がその違いを物語っています。(第58回|センター取りと価格の関係

「価格に対して素材が良すぎる」と感じるケースには、以下の背景が考えられます。

  • 直輸入による中間マージンカット(価格≠素材の質)
  • 選別基準が厳しく、少量生産に特化している工房製
  • 流通量の多い国(タイなど)で高品質素材を安価に仕入れている

つまり、価格=素材の質ではなく、**価格=“市場構造”+“ブランドコスト”+“在庫圧縮率”**と見るのが正確です。


消費者の声:「目が肥えた人ほど“革”で選ぶようになる」

経営歴30年のユーザー(60代・男性)のコメント:

「若い頃は、ブランドのロゴや値段で選んでました。
でも今は、革の質感を見れば“分かる”んですよね。高いだけの製品と、本物の素材を使っている製品は、持った瞬間に違う。」

素材の違いが、購入の満足度を根本から変える。
そしてそれは、“見る目”のある人にしか分からない贅沢です。


まとめ

クロコダイル財布の素材には、価格だけでは説明できない確かな“格”の違いがあります。

  • 原産地と養殖管理
  • 厳格な選別基準
  • 鞣しと染色の工夫
  • 保管環境の配慮

こうした背景によって、見た目は同じでも肌で感じる違いが生まれるのです。

価格の違いより、「なぜこの革が美しいのか?」という問いに答えられる製品を選ぶ。
それが、素材にこだわる大人の選択であり、本物志向の第一歩ではないでしょうか。

クロコダイル製品の品質と価格差について、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「クロコダイル製品の品質と価格差」にて取り上げている“価格差以上に感じる“素材の違い”をどう説明するか”に関連した内容です。


📚参考文献

  1. 日本皮革技術センター「クロコダイル革の種別と特性に関する調査」2021年
  2. タイ商務省レポート「皮革産業と養殖環境管理の関係性」2022年
  3. Luangta Leather社インタビュー(タイ産業省技術局2023)
  4. 経済産業省「皮革製品市場と品質基準の相関性」2020年
  5. タイ工業省「染色技術と革素材の美的表現」調査資料(2022)
  6. 革工房実務研究会「革の劣化と保管環境の実態」レポート2021年版
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完全限定生産 熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド

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