クロコダイル製品、パイソン製品は現地の工場に直接製作依頼し、熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド。大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。本物を求めるあなたにも手に取っていただきたいと願っています。

【第37回】タイの漁村文化とワニの共存の記録

※本記事は「タイ文化におけるワニの象徴性と精神的背景」で紹介されている“タイの漁村文化とワニの共存の記録”を詳しく掘り下げたものです。

―「食うか食われるか」ではなく「共に生きる」文化のかたち

「恐れながら、敬いながら──それでも“共に棲む”を選んだ人々の物語」

はじめに──ワニとの“共存”という選択の歴史

海や川とともに暮らすタイの漁村では、古くから人とワニが同じ生活空間を共有してきた歴史があります。
ワニ(クロコダイル)は、漁の邪魔者であり、命を脅かす存在でありながらも、
同時に自然の一部であり、村を守る神聖な存在とされてきました¹。

本記事では、タイ各地の漁村に残るワニとの共存の記録を辿りながら、
その文化的背景と、現代におけるクロコダイル財布に宿る「共存・象徴・精神性」の接点を探っていきます。


メコン川流域の村に残る“ワニとの境界線”

川と共に暮らすタイの人々が、ワニとどう付き合ってきたか──その“信仰”としての側面は、以下の記事でも詳しく触れています。(第30回|守護神としてのワニ

“あの場所には近づくな”という知恵

東北部イサーン地方のメコン川沿いに位置するナコーンパノム県やムクダーハーン県では、
今でも「ワニが現れる場所」として避けられている入り江や砂州が存在します²。

村人たちは「その場所はチャオ・カイケーオ(ワニの霊)が棲むから、夜は近づくな」と子どもに伝え、ワニに出くわした場合も「殺すのではなく、祈って退いてもらう」ことを選びます。

ここに見られるのは、人間が自然の秩序に従って生きる姿勢であり、
それは“共存”という言葉以上に深い意味を持っています。


タイ南部:海ワニとの日常と距離感

南部における“神の使い”とされる海ワニとの関係は、地域信仰の象徴とも言える存在です。関連する宗教的視点については、こちらの記事もおすすめです。(第29回|寺院のワニ像

潮とともに現れる“神の使い”

タイ湾に面したチュムポーン県やスラーターニー県では、
河口付近で「海に棲むワニ(クロコダイル・ポロソス)」が確認される地域があります³。

漁民たちは、ワニが見えるとその日は漁に出ず、海に“礼儀”として線香や花を流す儀式を行います。

これは「神の使いに道を譲る」という考え方に基づいており、単に危険を回避するためではなく、霊的な配慮として行動する伝統が今も残っています。


実際の共存対策と地域の知恵

“住み分け”という知的伝統

現代のタイ政府は一部地域でクロコダイルの保護区を設置しつつ、漁村住民に向けて「共存のための知識とマナー」を啓発しています⁴。

住民側もまた、以下のような知恵を昔から持っていました:

  • ワニの出没地には立ち木や竹の目印を立てる
  • 魚網はワニの通り道を避けて設置する
  • 雨季には夜釣りを控える(ワニの活動時間と重なるため)

これらは科学ではなく経験から得た“生活の叡智”であり、
自然と人間が衝突せずに生き延びるための文化的適応とも言えるでしょう。


ワニとの共存が象徴する“自然との距離感”

敬して遠ざけるという文化

タイの漁村におけるワニとの共存には、ある哲学があります。
それは「制圧ではなく尊重」「征服ではなく理解」。

この価値観は、現代においてもタイ人の“モノの選び方”に通じており、
たとえばクロコダイル財布のような製品に込められる意味にも反映されています。


財布という“調和”の象徴へ

ワニと人の関係を語ることは、“持つこと”の意味を問い直すことでもあります。クロコダイル財布に込められた精神性を深めたい方は、以下の記事をご覧ください。(第32回|伝統舞踊と精神性

持つことで内なる秩序を整える

クロコダイル財布を持つことは、単にステータスを示すためではなく、自分の内なる秩序や美学を体現する行為でもあります。

  • ワニ革=自然の力強さと唯一無二の個性
  • 財布という器=日々の経済活動と人格の表現
  • 所有すること=制御・共存・尊重の表明

まるで漁村の人々が“力”と“自然”を調和させて暮らすように、
クロコダイル財布を持つ者も、社会の中で“強さと節度”を両立させる人として映るのではないでしょうか。


まとめ──“共に生きる”ことを選び続けた文化

タイの漁村文化におけるワニとの共存は、
「危険を排除する」のではなく、「受け入れて調和を築く」という姿勢そのものです。

その精神は、クロコダイル製品――特に財布のような日常使いの道具にまで受け継がれています。

強さに触れながら、支配しない。
異なるものを畏れ、共に生きる。

そうした美意識こそが、今あらためて評価されるべき“本物の選び方”なのかもしれません。

タイのクロコダイル文化の全体像を、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「タイ文化におけるワニの象徴性と精神的背景」にて取り上げている“タイの漁村文化とワニの共存の記録”に関連した内容です。


📚参考文献

¹ Tanabe, S. (1991). Animism and Sacred Animals in Thai Villages. Journal of Asian Folklore, 7(2), 112–126.
² Prasert, N. (2003). River Legends of Northeastern Thailand. Thai Folklore Review, 6(3), 42–56.
³ Office of Marine Resources Thailand. (2018). Crocodile Distribution and Marine Interaction Report.
⁴ Thai Department of National Parks, Wildlife and Plant Conservation. (2020). Human-Wildlife Coexistence Manual. Bangkok.

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