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【第38回】カービングツールの材質と特性比較|真鍮・鉄・ステンレスの違いとは?

はじめに|「素材」で道具の使い心地が変わる

レザーカービング用ツールには多種多様な形状・サイズがありますが、見落とされがちなのが**「材質の違い」**です。
たとえば、同じスタンピングツールでも、真鍮製と鉄製では打刻感がまるで違います。

この記事では、カービングツールに使用される代表的な3つの金属素材、

  • 真鍮(Brass)
  • 鉄(Steel)
  • ステンレス(Stainless steel)

について、その特性・メリット・デメリット・選び方の基準を詳しく解説します。
買い替えやステップアップの際の参考として、ぜひお読みください。


カービングツールに使われる主な金属素材

素材名特徴主な用途備考
真鍮(しんちゅう)重く柔らかい/加工しやすい高級スタンプ・グリップ部分経年変化あり
硬く重い/安価大量生産品・スタンプ・芯材錆に注意
ステンレス錆びにくく高耐久高品質ツール・プロ仕様高価だが管理が楽

🔍【注1】一部のプロツールでは「グリップ=真鍮、先端=ステンレス」というハイブリッド構造も存在します。


材質①:真鍮(Brass)製ツールの特徴

◎メリット

  • 重さがあるため、軽い力で深く打刻できる
  • 柔らかいため手に伝わる感触がマイルド
  • 細かい模様の再現性が高く、装飾向き
  • 独特の黄金色と経年変化で味が出る

△デメリット

  • 硬度が低いため、先端が摩耗しやすい
  • 使用後の酸化・変色に注意
  • 素手で触った後はクロスで拭くなどメンテナンスが必要

使用例に向く道具

  • 細工用スタンプ(シェリダンスタイルなど繊細な模様)
  • グリップ部に用いた場合は、握りやすく滑りにくい

✨【ユーザーの声】「手に吸い付くような打ちやすさ。真鍮の重量感がクセになります。」


材質②:鉄(Steel)製ツールの特徴

◎メリット

  • 加工がしやすく価格が安い
  • 量産に向いており、入門用として多数流通
  • 種類が豊富で、買い足ししやすい

△デメリット

  • 錆びやすい(特に湿度の高い環境では要注意)
  • 繰り返し使用で先端が「欠ける」「へこむ」ことも
  • 打刻時の衝撃が強めに伝わる(手が疲れやすい)

使用例に向く道具

  • 入門者向けスタンプセット
  • 練習用ツール(負荷の多い環境でも気軽に使える)

🧽【メンテナンスポイント】使い終わったら軽くオイルを塗布し、布で包んで保管するのが鉄則です。


材質③:ステンレス(Stainless)製ツールの特徴

◎メリット

  • 錆びにくく、耐久性が極めて高い
  • 精度の高い加工が可能=仕上がりが美しい
  • メンテナンスがほとんど不要
  • プロの作家も多く愛用している

△デメリット

  • 価格が高め
  • 重さがやや軽いものもあり、物によっては打ち心地が硬質
  • 一部工具では「滑りやすい」と感じる人も

使用例に向く道具

  • スーベルナイフの刃(替刃)
  • 耐久性が求められるスタンプ(背景打ちなど)

💬【プロの声】「10年使っても刃こぼれなし。道具に投資してよかったと実感しています。」


材質の違いが与える3つの影響

① 打刻の安定性

  • 真鍮:重さで自然に彫れる
  • 鉄:コントロール力が必要
  • ステンレス:軽快だが滑ることも

② メンテナンスの手間

素材錆びやすさ手入れ頻度
真鍮△酸化する毎回使用後に拭く
×非常に錆びやすいオイルケア必須
ステンレス◎ほぼ錆びない基本的に不要

③ 見た目と質感

  • 真鍮:経年変化でアンティーク風の風合いに
  • 鉄:使い込むほど工業的で無骨な質感に
  • ステンレス:光沢が長持ちし、いつまでも清潔感あり

どの材質を選ぶべき?使用者別おすすめ

使用者タイプおすすめ材質理由
完全な初心者鉄製 or 真鍮製の入門セット安価で練習に最適
中級者真鍮製+ステンレス製の併用表現力と耐久性の両立
プロ志向・長期使用前提ステンレス製高精度・高耐久・ストレスフリー

複合素材モデルという選択肢もある

最近は、以下のような**「ハイブリッド構造」**のツールも増えています。

  • グリップ部分:真鍮(重さと感触)
  • 先端部分:ステンレス(耐久性)

このタイプは、長時間作業でも疲れにくく、かつ精密な打刻が可能なため、プロフェッショナルや中級者に非常に人気です。

✅ Craft Japan社やBarry King社などはこの構造を多く採用しています。


まとめ|素材にこだわると作品が変わる

カービングツールの材質は、単なるスペックではありません。
それは、作品の仕上がり・使い心地・作業効率すべてに影響を与える「隠れた主役」です。

  • 練習には鉄製・真鍮製で感覚を養い
  • 表現力を求めるなら真鍮へ
  • 長く使いたいならステンレスへ

素材を理解することは、道具との「付き合い方」を深めることでもあります。
ぜひ、あなたのスタイルに合った材質を選んで、より快適なカービングライフをお楽しみください。


注釈

【注1】『金属素材の加工と用途ハンドブック』技術評論社, 2021年
【注2】Craft Japan ブランド公式カタログ(2023年版)
【注3】Barry King Tools Product Guide, 2022 Edition


参考文献

  • 『レザークラフト道具大全』クラフト工芸社 編, 2019年
  • 『クラフトツールの科学』武田英介, 工芸出版社, 2020年
  • 『プロが語る道具選び』レザーアートマガジン Vol.34, 2021年
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完全限定生産 熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド

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