クロコダイル製品、パイソン製品は現地の工場に直接製作依頼し、熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド。大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。本物を求めるあなたにも手に取っていただきたいと願っています。
クロコダイル革の希少性と育成の現代事情

「クロコダイル革の価値は、時代が証明してきた─王朝の品格に選ばれた“素材の物語”」

※本記事は「タイのクロコダイル産業史|革製品製作の始まりから現在までの歩み」で紹介されている“歴史的におけるクロコダイル革の社会的位置づけ”を詳しく掘り下げたものです。

■ “高級素材”の源流は、遥か過去の王宮にあった

クロコダイル革が“高級素材”とされる背景には、王室文化との深い結びつきがあります。その精神性と由来については、第48回|王とクロコの関係でも詳しく語られています。

現代の私たちは、財布やバッグなどの高級革製品に対して、「価格=価値」という先入観を抱きがちです。
特にクロコダイルレザーは、「高価だから良い」「希少だから価値がある」と理解されている方も多いことでしょう。

しかし、その価値の背景にあるのは、マーケティングやブランドだけではありません。
素材そのものが、かつては“身分を表す記号”であり、“王権や信仰の象徴”でもあったという歴史的な事実。
その一端を、タイの歴史の中に見ることができます。

本記事では、タイのアユタヤ王朝(1351年〜1767年)という約400年続いた王朝期における、クロコダイル革の使用と社会的役割について、歴史資料と文化背景から紐解いていきます。

【第2回】アユタヤ王朝期に見られるクロコダイル革の利用と社会階級


■ アユタヤ王朝と「階級」をめぐるクロコダイル素材文化

アユタヤ王朝は、東南アジアでも有数の交易国家として知られています。
17世紀にはすでに、ペルシャ、ポルトガル、オランダ、そして日本とも交易を行い、王都には多言語が飛び交う“国際都市”の風格がありました。

その中で、国内産の貴重な素材として記録に残るのが、シャムワニ(Crocodylus siamensis)の革です。
王宮文書『ラーチャパット・ナムサー(ราชพัฒน์นามสาร)』や、訪問した西洋人の報告書の中には、
「高僧や将軍が身につける帯がワニ革で作られていた」という記述が散見されます。

つまり、クロコダイル革は当時から**“王族や上級貴族にのみ許された高貴な素材”**として扱われていたことが伺えるのです。


■ クロコダイル革を“持つこと”が階級の象徴だった時代

かつてクロコダイル革を“身につける”ことは、単なるファッションではなく身分の証でもありました。この象徴性は、第32回|文化の象徴としての財布にも通じる考え方です。

現代のように大量生産の時代ではなかった当時、革は非常に貴重な天然素材でした。
特にワニ革は、他の動物と異なり「飼いならせない」「繁殖が難しい」とされ、
野生のワニを捕らえて革として使うことは命がけの仕事でした。

そのため、ワニ革を加工できるのは王宮直属の職人のみに限られていたとも言われています。

・王族の“戦勝報告”として敵国から取り寄せたワニを加工し、装飾具にした記録
・国王の命令によって仏像の台座や仏具の一部にワニ革が使用された例
・上級将校への褒美として“ワニ革の小箱”が与えられたという儀礼

など、革という素材自体が、単なる実用品ではなく、政治的・宗教的象徴としての役割を果たしていたことが分かります。


■ 王朝の精神が、現代の“クラフトマンシップ”に受け継がれている

素材が語る“精神の継承”は、現代の職人文化にも通じています。その系譜と手仕事の継承については、第10回|手縫い文化と高級革もぜひご覧ください。

興味深いのは、この「革に対する敬意」の文化が、現代のタイのレザー工房にも色濃く残っていることです。

私たちが取引をしているタイの老舗工房の一つには、創業者の曽祖父がアユタヤ県で革細工をしていたという歴史があり、
その工房では今も「1頭のクロコダイルから取れる革の“どこをどう使うか”」を重視しています。

革をただ“素材”と見なすのではなく、
「命の恵みであること」「使う人がどう感じるか」までを考えるという思想が、作り手の手仕事に表れているのです。

その姿勢は、かつて王族のために革を仕立てていた職人の精神と重なります。


■ クロコダイル=“剛”の象徴ではない。品格の象徴だった

現代では「クロコダイル=ワイルド」「男らしさの象徴」というイメージが強いかもしれません。
しかし歴史を振り返れば、**その革が選ばれた理由は、“力強さ”ではなく、“格式と信頼”**だったのです。

選ばれた者が持つ。
格を守る者が使う。
それが、アユタヤ王朝におけるクロコダイル革の本来の意味でした。

つまり、クロコダイル財布を選ぶという行為は、
今でもどこかで「自分の格を、自分で整える」という美意識の表れなのかもしれません。


最後に

クロコダイル革が、かつて王族や高僧の手元にあった理由は、ただ高価だったからではありません。
そこには、「素材を尊び、使うことを誇りに思う」という文化がありました。

私たちは、タイの歴史と誠実な職人精神を受け継ぐ老舗工房と直接取引を行い、
その価値を守り続けている製品だけを日本のお客様にお届けしています。

ブランド名ではなく、“語れる背景”を持った財布を。
価格ではなく、“職人の真面目な姿勢”で選んでいただきたい。

その先にこそ、“長く付き合いたい一品”との出会いがあると、私たちは信じています。

タイのクロコダイル産業の全体像を、もっと広く知りたい方へ──
本記事は「タイのクロコダイル産業史|革製品製作の始まりから現在までの歩み」にて取り上げている“歴史的におけるクロコダイル革の社会的位置づけ”に関連した内容です。


クロコダイル革の希少性と育成の現代事情
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完全限定生産 熟練の職人が丁寧に手作業で作成したハンドメイド

大量生産では決して真似できない、細部にわたる職人のこだわり。そのこだわりが、当店のクロコダイル、パイソン作品には詰め込まれています。本物を求めるあなたにもぜひ手に取っていただきたいと願っています。華やかなブランドロゴや大量生産品では決して得られない、唯一無二の価値を感じていただけるはずです。

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